ネジ無し

文です

連載終了四ヶ月経ってやっと自分の漫画のレビューを見れた

夜寝るのが下手なので寝れずにゴロゴロしてて、何となく勇気だしてネットのレビューサイト見に行ってきたんです。

 

とぅくんとあたしの八千日間の連載が終わってから四ヶ月経ちました。ツイッターで自分にリプライで感想をくれる人はいましたし、そういう意味では感想見てきたんでしょうけど、それでもずっと、ネットのレビューを見るのを避けてたんです。ほらなんか、タイトルで検索して、そしたら通販サイトとか出てきて、星が五つのうちいくつついてるかとか、そういうのです。マジで避けてました。

 

とぅくんは、いわゆるツイッターでバズッた趣味のイラストが、ありがたいことにお誘いをいただいて連載につながったものです。
バイト行く前にコンビニでイラストスキャンして、ネットあげて、休憩時間にツイッター見たらもう文字通り通知止まらなくて、リプライとかもいっぱいきてて、(誤字の指摘も死ぬほど来てて)うそやろって思ってたらまとめサイトにも載って、メール来て、連載しませんかって。
雑誌連載しませんかって。

 

そりゃ舞い上がるわ。


ちょっと一旦話変わりますね。
小中学校、マジでスクールカーストの底辺だったんですよ。国籍がこの国じゃなくて、いじめられてたとまではいかないんすけど、何となくふとした折に国に帰れよが飛び出すような、デモとかあって、お前の国が日本になにしたかわかってんのかよって怒鳴られたり、音読で母国に関連するワードが出たらチラチラ見られたり、そういうのちょいちょいあって、もちろんそんなこと言わない子もたくさんいたけどなんとなく、なんとなくあの子は下だよねみたいな、そんなとこにずっといたら、ギュッなるじゃんか、人格と言うか、根っこの部分が。

そんで、絵を描くのと、作文が上手いねって先生とか親が言うから、そこを誇ってたら、なんかそこばっかに頼る人間になっちゃった。

 

前後は思い出せないけど、こしせさんは国は違ってもみんなよりよほど日本語で文章を書くのが上手いねって先生にほめられて、嬉しくて、まあこんな過去探せばどこにでも転がってそうだけど、絵描いて、話考えて、そんなことばっかやってたし、やってれば認めてもらえてるーみたいなの思ってたし、たまにクラス文集の表紙の絵とか頼まれたりすると、クラスっていう一つの団体の、みんなに配られる冊子の表紙を描くって、それもう仲間じゃんって思ってました。チョロいので。

でも美大入ってから、天才がゴロゴロいて、みんな絵上手いし、埋もれるし、結構テンション低かったんですよ。

 

そんなときに、連載しませんかって。検討させてくださいとは言ったけど、正直心境は二つ返事でしたね、大学で本当に平気な顔できるようになったのもそのおかげだし、下心ありすぎる理由で連載が始まったんです。
なんとなく絵とか漫画とか、物語作るって周りよりうまい自信あって、今までそっちの分野で大した失敗もなく周りに褒められてきて、今回もそうなるっしょ!って思ってたのもあります。

結果、厳しかった。
まず商業の漫画の描き方がわからない、それ以前に断ち切りとかわけわかんないし、トーン貼ったことないし、長編漫画のネーム練るのも全然うまくいかないし、下手だなあって思った、雑誌に載ってる他の作家さんみんな絵うまいし、なんとなく読みづらいんですよ自分の漫画だけ。
多分他の人が気にしてるか無意識にやってる、テンポいい擬音とかセリフとか、構図とか捨てゴマとか、そういうのがてんでダメで、一人だけお遊びの域を脱してなくて、めちゃくちゃ悔しくて、ていうか怖いし、一話掲載号のコミックジーンの発売日の前夜、怯えてました。
担当さんも思ったよりかけてないな〜ってことで首かしげてらして、申し訳ないわ恥ずかしいわで地獄で、読んだよ〜って声が嬉しくもあるんだけどそれ以前に本当地獄だなって(地獄)。毎月描いて、ネームで話がよくかけるようになっても、画力と漫画力が追いついてなくて…!みたいな状況の中、一巻の発売が決まって、めまぐるしかったんですけど、そんでもって一月の終わりに、まえからあった病気が再発しました。まあうつ病なんですけど、漫画とかとは全然関係ない理由で再発だったんですが、時期が時期だったために、これがまずくて。

よく自分より頭のいいキャラは描けないっていうじゃないですか、あれ、本当にそうだと思うんですよ。ていうか、描けるけどリアリティがなくなる、みたいな感じかも。
自分が持ってる要素をキャラに落とし込めば、キャラに奥行きが出て、魅力も出て、最高なんすけど、それができないと、要は知らないものを描いてるだけだから、激安食堂のスープバーくらいうっっすいキャラメイクしちゃう、みたいな感じ、いやわからんけど。

病気になって、できることができなくなっても、キャパも気力もやばくなってきても締め切りはあるし、原稿をやるじゃないですか。
あと、とぅくんってオカマが子供拾って育てる話なんですけど、すいませんそこの説明が抜けてました。

で、原稿ですよ。紬(拾われた子供)や登場人物が何か愚かっぽいことするたんびに、オカマの冬助が、なんかいいこと言うんですよ。なんかいいことっていうのは、ツイッターに転がってたらそのままバズりそうな、いい言葉とか教訓とか、そういう言葉をそこそこいい年してシワがある人生経験豊富なオカマが言うんですよ。キリッとしたキメ顔で、そこだけシーンとして。


で、それ描いてんの、うつ病でロクに考えられなくなってる20前後のガキなんすよ。

絵に頼ってきたくせにそれすらできなくなってきて、な〜んも思いつかなくなった奴が、恥ずかしいって思いながら、描いてるんですよ。
キャラに奥行き出るか?でねえっつ〜の。ペラッペラだわ。
水戸黄門の印籠みたいにかませる決め台詞なんて、思いつくわけないんだよね。思いついてもそれはそれっぽいだけの台詞で、描くの辛かったっす。本当、二巻分も単行本出しといて、本当ごめんなさいなんですけども。

下心ばっかでも、ばっかなりに自分はちゃんと冬助や紬にちゃんとストーリーをあげたかったし、できると思ってたけど、ダメだった。
連載開始当初に仲良くしてた子は、フリーランスイラストレーターやったり、漫画家で多忙してたり、画家やってたり、本当みんな偉すぎて、どんどん上に行って、やりたいやりたいって言ってなんでもやってるのに、自分だけこんな、暗い部屋でいい話風の漫画を、自信を持てないまま描いてるのが、何より自分で好きになれないまま描いてるのが、許せなかったし、悲しかった。いい話風なんて自分で思うのが、一番嫌だったんです。じゃあ思うなよちゃんとやれよって話なんですけど、できなかったから、自分の漫画は結局劇的に面白くなることなく、終わっちゃったのかなって。
結局しりすぼみな感じでバ〜っと連載は終わって、最終回描いてる時も、一筆一筆噛み締めて…みたいなことなかったし、終わった後、結構ぼ〜っとしました。あー終わったんだなって思って、終わっても案外心境は変わらなくて、とぅくんが無くなったからってなんか変わるわけでもなく、でも何かやってないと不安だから、展示に参加させて頂いたり、自分でやったり、コミティアで漫画出したり、いろいろしてました。

冬がマジで心やばくて、今冬ででも就活前だし3月にまた展示やるしで、1日一回絵絶対描こうって決めてるんですけど、上手くいかないしみんな絵うますぎ。あと漫画みんなうまいじゃんね今は。

冒頭に戻ります。
自分で自信が持てなかった作品だから、誰かの感想を見るのが怖かったんです。知り合いやフォロワーの感想ってめちゃくちゃありがたいし嬉しいけど、でもやっぱりみんな褒めてくれるから、完全に第三者から見たむき出しの感想が怖くて。あの時の自分の浅はかさまで、キャラや話の薄さを通して見透かされるんじゃないかなって思ったら、全然見れなかったんです。

でも、いざ見たら案外悪くなかった。
クソつまんねえ!みたいなやつもあったけど、結構良かったとか面白かったとか。
めっちゃ嬉しかったのは荒削りだけど可能性ある作家って。
泣いたって方もいて、クラス文集の表紙描いた時のこと思い出しちゃいました。クラス文集の表紙描いてクラスの仲間になった気になるよりも、私の漫画で誰かが泣いてくれる方がよっぽどパワーある。ガッて熱くなってじわって涙ぐむって、結構すごくない?そこまで誰かを動かせたって本当すごくない?
時系列がわかりにくいとか絵柄の変動が激しすぎとか、絵がそんなに上手くないとかいっぱい言われてて、でもそれもなんか嬉しくて、上手く言えないけど、もう描くなくらい言われると思ってたから、ちゃんと読んでくれてちゃんとくれた感想が本当に嬉しかったです。バカみたいに感想読み漁りました。

多分漫画描くのも絵描くのも、誰かに見て欲しくてって気持ちがあまりにも強すぎんだろうなって自分でもわかってるから、だから名前も知らない誰かがくれる感想が本当に嬉しい。自分に義理がない人が書いてくれた感想が、本当に本当に嬉しいし、病気は治ってないけど、またしばらく描けそうです。

あと、全然自分でも読めてなかった自分の単行本、今さっき読み返してたんですけど、思ったほど悪くなかった。テンポ悪いし読みづらいし不親切だし大事なとこで照れが入って上手く描けてない漫画なんだけど、冬助が言ってることも、紬が冬助大好き!になるとこも、紬の母親の心境吐露も彩人の紬に対する複雑な感情も、全部思ったほどぺらぺらじゃなくて、血肉つきの生身とまでは全然いかないけど、思ったより大丈夫だったです。
なんじゃそのオチはってずっこけるかもだけど、時間はたってもそう思えるようになって本当良かったです。描けない〜って言いながらも自分の好きなものとか萌えとかちょっとずつ詰めれたみたいで。

あとがきかいてるとき、結局他の漫画家さんが言ってるみたいに、キャラクターが話しかけてきたり、家族同然とか、そういうのなかったなって思ったんですけど、それは今もやっぱり全然なくて、紙の中のとぅくんなんですけど、その距離感にも安心しました。私が憧れてた漫画家にはなれなかったけど、でも一線おいてちゃんと作品を、下心とか劣等感とか辛い気持ち抜きで、読み返せてよかった〜!お前らのおかげだよ〜〜!

コミティアに出した本も完璧に満足いくものはなくて、出るたびにもっとやれるのにって思うんですが、だから多分これからも描くと思います。

話はそれるんですが、即売会じゃない特殊イベントで一人も私目当てのお客さんが来なかったことも、即売会でさっぱりモノが売れなかったことも何度もあって、初めの頃とは少し心境が変わってきました。
だから、交通費払ってイベントにわざわざきてくれたり、ていうかツイッターで感想もらうだけで、マジのマジで元気でるんです。みんなが好きって言ってくれるから、見ていてくれるから、私は私の好きなものを(とぅくんを含めて)描いていけるんです。ありがとー。
それと私なんてつって絵あげる奴やつはだめだめ!みたいなのあるけどそんなことないよ、どんな理由でも机向かって絵かいてるだけで行動しててすげえ偉いよ。疲れるもん。仕事で絵頑張ってる人も、趣味で描いてる人も、病気でポンコツになった自分からしたらみんなすごく偉いです。

ここまで完全に衝動で書いてるからそろそろわけわかんなくなってきたけど、これからも頑張るので、見ててくれたら嬉しいですわ!自分の作品を悪く言ったこと、ごめんなさい。最後までとぅくんの作者にはなれませんでしたが、それなりに決着つけれたんで、満足してます。ちょいちょい読み返すことにするわ!買ってくれた人、ありがと〜!!!!!!!!!!!!!!!!(クソデカ大声)